寄附金の活用事例:顕彰論文受賞者の声


「一人でも多くの命を救うために」
第6回(2017年度)科学賞受賞(350万円)
大阪国際がんセンター 田淵貴大 氏

私は血液内科医としてキャリアをスタートし、現在は公衆衛生学・疫学を専門としてがん研究を実施しています。血液内科の現場ではエビデンスに基づく医療を実践することを学んだ一方、予防医学の実践が不十分だと感じていました。一人でも多くの命を救うためには、病気になってしまった人に対する医療・治療だけでなく、病気にならないように予防することも必要です。がんで死亡する人の39%、肺がんで死亡する人の69%はタバコが原因だとわかっているのです(Katanoda K, et al. J Epidemiol 18; 251-264, 2008)。そこで、私はがん対策のなかでも特にタバコ対策に取り組んできました。あらゆる統計資料を活用し、タバコの値上げや屋内禁煙化などの政策を評価し、研究成果をメディアを通して広く周知しています(研究成果については田淵貴大のresearchmap等WEBサイトを参照のこと)。独自のインターネット調査研究プロジェクトとして、日本の新型タバコ問題に注目したJASTIS(Japan Society and New Tobacco Internet Survey)研究および新型コロナウイルス感染症問題に注目したJACSIS(Japan COVID-19 and Society Internet Survey)研究を立ち上げ、多くの共同研究者とともにがん対策やタバコ対策も含めた公衆衛生課題を解決するための研究に取り組んでいます(写真:オンラインミーティングの様子)。 タバコ対策などのがん対策研究を多くの研究協力者とともに推進するための活動経費として後藤喜代子・ポールブルダリ癌基金からいただいた顕彰金を使用させていただいています。公衆衛生学や疫学の専門技術を駆使して、データを分析し、対策の効果を評価し、今後のより良い社会や生活のかたちを模索していく所存です。そうして、人々の健康と幸福に貢献したいと考えています。