寄附金の活用事例:顕彰論文受賞者の声


「がん免疫治療によるがん撲滅を目指して」
第9回(2020年度)特別賞受賞(150万円)
京都大学大学院医学研究科免疫ゲノム医学・特定准教授
茶本 健司 氏

10年前と比べ、がん患者さんの生存率は良くなっています。その理由の一つにPD-1抗体を中心とした「がん免疫治療法」の発展が考えられます。現在ではPD-1抗体を用いたがん免疫治療が最前線の治療法となっており、肺癌領域においても第一選択肢となっております。しかし、それでもまだ奏功率が30-40%程度(併用治療を含む)であり、不応答性患者も多く存在します。完全ながんの撲滅のためには、PD-1抗体治療への不応答性メカニズムの解析や、併用治療の開発、効果予測バイオマーカーの研究等まだまだ多くの研究が必要です。それらのがん研究を動物実験や臨床検体を用いて行うためには非常に多くの研究費が必要であり、現状、主に政府の予算を用いて行うしかありません。しかし、政府の予算は使用目的の制限が非常に厳しく、実際のがん研究に必要なものであっても購入できないものや、患者リクルートのための実費も支払えない場合もあります。後藤喜代子・ポールブルダリ癌基金の顕彰金は非常に自由度が高い上に、使用期限の制限がないため、通常の予算では難しい研究を計画することも可能です。今後、がん研究において必要な時に使用させていただき、実臨床に活かせるようながん研究をさらに発展させていきたいと考えております。